こんばんは、sinです。
今日は読んだ本の感想!
芦沢央著「火のないところに煙は」を読みました。
そう、またホラー系です(笑)
今回は割と怪異系にヒトコワ系も混ざったような感のお話でした。
作品スタイルとして、実際この本を出している新潮社の人たちと、
筆者の実体験というスタンスで話が進んでいくので、
え、本当なの?実際あったことなの?っていう恐怖もあります。
身近に感じるからこそ、恐怖を感じるというか。
おどろおどろしい怪異(都市伝説みたいな)が出てくるというよりは、
人間が主となってる感染系怪異なのかな?といった印象でした。
あと人はめちゃ死にます。
死に様が描かれるわけではないので、グロくはないですが、
毎話どんどん死ぬので、人死ぬ系がダメな人は止めた方がいいかも。
ここから先は、本編のネタバレありなので、
読みたいと思っている人は注意!
本は6話の短編からなっていて、それぞれが違った怪異を取り扱っています。
ただ最終話で、どの話もつながりがあって、
実は1つの怪異がもたらしたものだったのかも……という終わり方をします。
どの話にも「小花柄のチュニック」で
「ソバージュのような髪型」の「おばさん」と、
「叫びながら道に飛び出てしまう」「幻聴」「占い師」といった
キーワードで結ぶことができる……思い違いかも、でも……
という感じで終わります。
個人的にはその怪異と対面するところまで見たかったのですが、
対面しちゃうと死んじゃう確率が高まるからか、
関係を匂わせるくらいでとどまっています。
でもそれだけ広い影響力を持つおばさんの怪異、気になる……(笑)
(怪異系では、こういう好奇心が身を滅ぼす)
個々の話では、怪異に紐づいて人間の感情とか欲が見える部分があるので、
単体で見るとヒトコワ系とも見えるかなといった感じ。
異形の怪異が出てくるような作品より、
人間なんだけど、人という枠からはみ出ていってしまうような恐怖は、
映像作品に向いてると思う。怖いけど。
1話目の「染み」は、怪異体験者が仕事で作成しているポスターに
いつの間にか染みができてしまって、
かつその染みをよく見ると「あやまれ」という
小さい文字の集合体だというのがわかるといった話なのですが、
ハード本の裏表紙の染みも「あやまれ」の集合体で出来ていて、
おお!と思いました。こういうの好きだよ。
帯には大どんでん返し!と書かれていたのですが、
私がホラー系読み漁りすぎて、割と展開が読めてくるようになってたかも。
全部の話がつながりがあるんだろうな~とは思いながら読みました。
メタ的に読んでしまう癖があるね……。
登場人物では、怪現象に対して鋭い視点からものを見る
榊さんが好きだったのですが、
最後行方不明のままですという終わり方で残念……。
おばさん怪異に近づいたせいかも……という形なんですが、
1話目の時点で登場した怪しい占い師に対して榊さんが
「あの人はやばい」と言っているのを見るあたり、
これまでも関係はあったんじゃないかな~と思いつつ。
でも今回深入りしたせいで……ということなのかな?
怖い話は霊を引き寄せる……という言葉を詳細に描いた作品で、
ドキッとする場面もあって、面白かったです!
今日はこのくらいで。明日は1日家にいる予定。
もう1冊ホラー読む予定だけど、違う感じの本挟もうかな。